
私は昔は左が上がらなかったのですが、最近は右がいまいちになってきました。
いろいろと経験して、考えてみて、「これだ!」というものが分かってきたので整理してみました。
あなたの悩みを解決するのに役立てば嬉しいです!
ベンチプレスの左右差とは
ベンチプレスをやっていると、左右どちらかが上がらないということが起きます。
実際、トップ選手も口を揃えて左右差はあると言っていますし、永遠の課題なのかもしれません。
赤い点線のようにバーベルが斜めになっているイメージです。

実は初心者ほど左右差によく直面します。
というのも左右差は限界ギリギリのときに顕著になるからです。

初心者のうちは成長が楽しくて、自己ベストに挑戦したり、限界が分からなくて、潰れてしまったりということが多いです。
結果的に、左右差に直面することも多くなりやすいです。
なぜ左右差ができるのか
これについてはネットにもいろいろネタが転がっています。ざっと調べた限りだと以下のような声がありました。
- 筋肉量に左右差があるから
- ダンベルなどで弱いほうだけ集中的に鍛えるべきだ
- ウエイトに左右差をつけてもいいのか?(批判的な意見が多い)
- 利き腕やスポーツ経験等で神経系の発達に差があるのが原因

“筋肉量に差がある説” や “神経系の発達に差がある説” について、私は間違っていないと思います。
雑な言い方になりますが、物を投げるとき、利き腕は押していて、反対の腕は引きますよね。
Push系の種目は利き腕が強くて、Pull系の種目は反対が強いということは有り得ます。
また、よく筋トレ界隈ではマッスルマインドコネクションなんて言い方もしますが、トレーニングを続けると徐々に筋肉を思い通りに動かせるようになってきます。

利き腕やスポーツ経験などによって右腕はうまく収縮できるのに左腕はなかなかできないということが起こり得ます。

そんななかで私は 可動域の差 が見落とされがちではないかと思います。
「か、可動域ぃーーーー???」
↓↓↓ここからが本記事の本題です↓↓↓
肩甲骨の可動域の差とは?
可動域というとけっこう文字通りなんですが、体を動かしたときに各部位がどこまで動くかです。

ベンチプレスにおいて重要な動きは以下の2つになるかと思います。
- 肩甲骨の下方回旋
- 背中のアーチ作り
さらに少し分解してみると画像にあるように4つの動作になります。
- 胸を張る
- 肩甲骨を落とす
- 背中のアーチを作る
- 骨盤を立てる
(背中のアーチが作れる程度に)
例えば、左側の肩甲骨があまり寄せられない人の場合、自然と左肩が前に出てしまいます。

肩が前に出ると上腕三頭筋の動員が多くなりますので、先に三頭筋が限界を迎えてしまいます。
これを続けると肘や手首を痛めてしまうということが予想されます。

私は実際に左右差で手首を痛めてしまってリストラップを付け始めましたので、以下の記事も参考にしてください。
最近、ベンチプレスをやるときに手首に違和感がある怪我をする前にリストラップを付けたほうがいいよベンチプレスをやっているとだれもが一度は"手首の不調"を経験すると思います。私も手首を痛めたこと[…]
可動域に差が出る理由
これ、ズバリ、筋肉が硬いからです。
肩甲骨はいろいろな筋肉に引っ張られています。まわりの筋肉がうまく収縮/伸長できないと思うように肩甲骨が動かせません。

特に仕事がデスクワークの場合は要注意です!
マウス操作の姿勢はベンチプレスのフォームの逆で、肩が上がり、肩甲骨が開いた状態になりがちだからです。
その他にも以下のような癖がある場合は注意してください。
- 車の運転を片手でやってしまう
- トートバッグなどをどちらかの手で持つことが多い
- スマホをどちらかの手で持って長時間操作している など
左右差のある姿勢を長時間続けると筋肉が硬くなり、ベンチプレスの際に肩甲骨がうまく寄せられない or 落とせないという事態に陥りやすいです。

また、足を組むという動作も要注意です。
左右差は骨盤にもあるからです。
例えばいつも右足を上にして足を組む人の場合、右の骨盤は前に、上に出やすくなります。その姿勢で背中のアーチを作るとそれに伴って、アーチも傾いてくるというわけです。

左右差の確認方法と対策
実際に自分の体のどこの左右差が大きいかを調べられる種目を紹介します。
- シュラッグ
- ペックフライ
- スクワット
シュラッグ
- 肩をできる限り上げてみる
- 次にできる限り下げてみる
これで上下の可動域の差を確認することができます。

ペックフライ
- できるだけ腕を広げる
- 可動域ギリギリのところで動作を繰り返す。
これで胸の開きの可動域の差を確認できます。
・鎖骨周りや脇周りを揉んでほぐす
スクワット
- バーだけ持ってできるだけ深くしゃがみこむ
- お尻のどちらかが下に下がっていないか、膝が前に出ていないかを確認する
これで骨盤の可動域の差を確認できます。
・ランジやブルガリアンスクワットなどで股関節を刺激する
(番外編1) 別種類のベンチプレス
例えばですが、手幅が狭いナローベンチプレスをすると軌道が変わりますので “右の動きがスムーズじゃないな” といったような気付きがあるかもしれません。
別記事でベンチプレスの種類を紹介していますので参考にしてみてください。
たまに変わったベンチプレスしてる人を見かけるんだけど、なにしてるの? ベンチプレスは非常に奥が深く、細かいものも考えるとかなりの数があります。一緒にベンチプレスを学んでいきま[…]
(番外編2) スミスマシンを使う
スミスマシンは軌道が固定されているので、左右差の矯正にも使えます。
スミスマシンを使うメリット・デメリットは別記事にまとめていますので、興味があればご覧ください。
BIG3やりたいのにバーベル空いてない!!そもそもジムにパワーラックがない・・・残念ながらそういう場合もあると思います。そこで、本記事ではBIG3をスミスマシンでやるメリットとデメリットを紹[…]

まとめ
ベンチプレスの左右差の原因は肩甲骨まわりの筋肉が硬くなっているからかもしれないというお話でした。
左右差のある部位の筋肉をほぐすことで体の動きがよくなってくると思います。
以下の筋肉を特に意識してみてください。
- 肩の左右差
⇒小胸筋、前鋸筋、棘下筋など - 骨盤の左右差
⇒ハムストリングス、骨盤底筋、腸腰筋など
左右差を直してベンチプレスの自己ベストも更新していきましょう!
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