リストラップ と リストストラップ は違うものです。
リストストラップはグリップ部分に巻き付けて握力を補助するために使います。主にデッドリフトやベントオーバーローなどの背中のトレーニングで使います。
以下の記事で選び方などについて解説していますので、もしリストストラップについて知りたかった方はチェックしてみてください。
リストラップって初心者でもいるの?
リストラップは重量が軽い初心者でも効果を発揮するアイテムです。この記事では以下の順番でリストラップの効果や必要性について解説していきます。
私は手首を痛めてからリストラップを使い始めました。そういった事態を防ぐためには早めに使い始めるのが無難です。これから買う方に向けて写真なども使いながら、できるだけ分かりやすく必要性を説明したいと思います。
- ベンチプレス MAX 135kg
- MAX90kgのときに手首を負傷
⇒リストラップを使い始める - リストラップはSBD Flexを使用中
- 京都大学卒のブロガー
ベンチプレスなどの筋トレでのリストラップの効果は?
リストラップはトレーニング中に手首に巻き付けて使うアイテムです。伸縮性のある素材からできており、手首の安定感を高め怪我を防止する効果があります。以下の順番で効果を紹介していきます。
- 手首の怪我防止
- 肘や肩の怪我防止
- 挙上重量UP
手首を保護して怪我を防止
リストラップを巻き付けることで手首自体を保護することができます。柔軟性と固定力を兼ね備えたテーピングのような役割です。
- 関節を適度に圧迫して安定感を向上させる
- 可動域を制限して負荷のかかる領域まで曲げさせない
最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてくるとリストラップがないと落ち着かないレベルまで馴染んできます。巻き付ける動作がルーティーン化して集中力を高めてくれるということも期待できます。
肘や肩への負担を軽減する
肘や肩には関係ないんじゃ?
少し意外と感じるかもしれませんが、リストラップは肘や肩の安定にも効果を発揮する場合があります。ベンチプレスやショルダープレスをやっているときに安定感がなく肘が前後左右に揺れてしまうような場合です。
ほうきや傘などを手のうえに乗せてバランスをとることをイメージしてみてください。傾いてしまったときは腕を動かしてバランスを取ると思います。ベンチプレス中はこれと同じようなことを無意識のうちに行いながらくバーベルを支えています。
手首を安定させると肘も安定しやすくなるため、結果的に肘や肩への負担を減らすことができます。エルボースリーブを使って肘自体を守るのもおすすめです。
挙上重量が上がる
ベンチプレス初心者の大半は挙上中に肘が大きく動いているはずです。そのため、リストラップで手首を安定させることで効率よくバーベルに力を伝えられるようになります。途中で手首が頻繁に動いていたような方だとそれだけで重量が上がることもあります。
【補足】
ベンチプレスの日本一、世界3位になった川島達也さんはバーベルラジオにてリストラップを長い物に替えてから重量が伸びたと語っていましたが、世界大会などでリストラップを付けていない選手もいます。トップレベルの選手がリストラップによって重量UPするかどうかはまた別の話になりそうです。
リストラップはベンチプレスの初心者には必要ない?
軽いのに付けてたらかっこつけてると思われる?
上述の通り、初心者は挙上中に手首や肘が安定しないことが多いので、早い段階から付けるのをオススメします。手首の可動域の広さをもとにその理由を深堀りしますので、一緒に手を動かしながら読んでみてください。
手首は可動域が広く痛めやすい
手首の可動域を3方向で図示しました。見ての通り、手首の可動域はかなり広いですよね。肘や膝と違い、曲がる方向の制限がなく自由に動きます。
可動域が広いと安定しない
可動域が広いとなかなか安定しません。代表的な動きが手を洗ったあとに水を切る動きですが、手首はかなり動きます。
可動域ギリギリで握ってしまうと
さきほどの可動域ギリギリの状態でバーベルを握ったことを想定してみます。写真に矢印を追加しましたが、手首が曲がった状態では赤線と黒線の位置や角度がズレていることが分かるかと思います。
赤い丸/四角 | 赤矢印 | 黒矢印 |
---|---|---|
バーの位置●/■ | 重力の方向→ | 腕の向き→ |
力の向きや位置がズレると関節に負担がかかる
実際には手首を90°曲げた状態で持つ人はあまりいないと思いますが、手首はこれぐらい動き得るということです。かつ小さい関節なので非常に痛めやすいです。
初心者だから付けないではなく、柔らかい物を付けると考えましょう
素材によって保護効果が異なる
リストラップの素材は製品によって異なります。素材によって伸縮性や硬さが決まってくるので、リストラップの保護効果を決める大事な要素と言えます。以下は SchiekとSBDのリストラップの硬さと伸縮性を比較したものです。
Schiek | SBD | |
---|---|---|
硬さ | やや柔らかい | 硬い |
伸びやすさ | 伸びやすい | 伸びにくい |
締め付け | 弱い | 強い |
保護力 | 弱い | 強い |
柔らかめのリストラップは軽い力でも伸びやすいので初心者~中級者でも扱いやすく手に馴染みやすいです。ただし、固定力/保護力には劣りますので重量が上がってきたり、不安を感じたら硬いリストラップに買い替えるのがおすすめです。
リストラップが必要ない人は?
以下のような人は高重量でもリストラップを使っていないこともあります。とはいえ自信がない人やフォームが安定していない人は付けるのが無難です。
- 生まれつき関節が太く丈夫
- 手首に負担の掛からない位置でバーが持てている
日頃の練習で違和感がある方は手首に負担がかかりにくい握り方の解説もチェックしてみてください。
\ おすすめのリストラップは? /
ベンチプレスのリストラップの効果を検証
手首の角度を制限する効果
手首の角度を制限して、安定性を向上させるというリストラップの効果を確認しましょう。付ける前後の可動域を並べてみました。少し柔らかめのSchiekのリストラップでもかなり角度が制限されています。
角度がかなり制限されているね!
角度が規制できるということは以下のようにも言い換えられます。
- 手首の負荷が大きくなる領域まで曲がりにくい
- 最初にバーを持った角度から動きにくい
なお、リストラップの巻き方には内巻きや外巻きなどいくつか種類があります。巻き方について詳しく知りたい方は以下も合わせてチェックしてみてください。
リストラップがより効果を発揮する場面
リストラップは限界ギリギリの重量に挑戦するときにより効果を発揮します。こうした状況では手首の角度を気にする余裕がないので、リストラップがあったほうが安心です。
- 限界ギリギリだと左右差が起きやすいので手首の角度も悪くなりやすい
- 限界ギリギリだと普段と違う場所に降ろすミスが発生しやすい
また、重量が上がってくると、ミスをしてしまったときのリスクも当然増してきます。上級者は一般的に競技向けの硬いリストラップを巻いています。また、1m程度の長い物を巻いている人もいます。将来的に大会に出ようと思っている人は公認リストラップを使うのもおすすめです。
おさらい
- リストラップを使うことで安定性が格段にアップ
- 限界に近い重量では手首の角度を気にする余裕がないので特に重要
- “高重量を扱う上級者” にも “上げ方が安定しない初心者” にも役立つアイテム
リストラップを使うのがおすすめな種目
ベンチプレスなどプレス系の種目
リストラップは手首が押されたり、曲げられたりする方向に負荷がかかる種目で使います。例を挙げると以下のような種目です。
- ベンチプレス
- ショルダープレス
- ディップス など
ローバースクワットの手首保護に
高重量を扱う人はバーベルの担ぎを安定させるためにスクワットでもリストラップを使うことがあります。特にローバーでスクワットをする人は重要です。
Youtube
パワーチューブでは「担ぎを制するものがスクワットを制す」とよく言っています。うまく担ごうとすると手首の安定性が必要だと感じると思います。
スクワットでは肩の柔軟性がなく手首に負担がかかる場合もあります。リストラップでの保護に加えて、自分がどういった手首の角度で担いでいるのかも気にしてみてもいいかもしれません。
まとめ
ベンチプレスにおけるリストラップの効果や必要性を紹介しました。
そもそもリストラップとは?
- 手首を保護するもの!
- ストラップとの誤用に注意!
リストラップの効果と必要性
- 手首は可動域が広く安定性がない
- 力の向きがズレると手首の負担大
- 可動域を制限することで過大な負荷を防ぐ
リストラップを使う種目
- ベンチプレスやショルダープレスなどのプレス種目
- スクワットなどとにかく安定させたい種目
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