<はじめに>
本記事はBURST LIMIT (@BURST1681)さんの動画を参考に執筆させていただきました。いつも良い動画をありがとうございます。
ベンチプレスを2段階でやってる男がいたんですよ~!
な~に~?
やっちまったなぁ!
本記事ではベンチプレスの2段落フォームを少しだけ物理的に考えていきたいと思います。以下の3点が分かります。
- ベンチプレス MAX 135kg
- 京都大学/大学院(理系)を卒業
- でも物理は専門じゃない
【参考】
ベンチプレスで使うおすすめの靴もチェックしてみてください!ハイパーV などの足袋靴や adidas Powerlift などのリフティングシューズを紹介しています。
ベンチプレスのMAX重量を伸ばす2段階フォーム?
ベンチプレスのMAXが伸びる?
あなたはベンチプレスの「2段階フォーム」を知っていますか?知らない場合はまずは以下をご覧ください。
Youtube
少し物理的に考えてみたい
本記事では以下を目的としています。
- 2段階フォームのメリットを少しだけ物理的に考察する
- 高校1年レベルの物理です
流れは以下の通りです。
下げる動作の重要性が分かる記事になってるよ!
本サイトオリジナルのベンチプレス偏差値計算ツールを作りました!
ベンチプレスのMAX重量を伸ばすための前提
ベンチプレスの動きには以下の2つの前提があります。順に説明します。
- 肘の位置によって出力が違う
- 切り返しで必ず速度が0になる
肘の位置によって出力が違う
これは別に肘に限った話ではないですが、1番分かりやすいので肘にしています。
- 出力100%のポイントは狭い
- ポイントからズレるほど、力が発揮できない
場所も数字も適当ですのでイメージだけ掴んでもらえればと思います。この分布に関しては個人差があって、例えば腕が長いとかブリッジが高いなどの要素で前後左右します。
MAXが100kgでも60%のポイントに下ろすと60kgしか上げられないイメージ!
切り返しで必ず速度が0になる
ベンチプレス中の速度の変化を図示してみました。符号は上が正で下が負としています。
仮にボトムで止めなしでやっていたとしても絶対に切り返しでは速度が0になります。これを少しだけ物理的に考えます。
運動方程式より ma = F – mg
m: シャフトとウエイトの質量
a: 加速度
F: シャフトを押す力
g: 重力加速度
①下げるとき ma = F – mg ≦ 0
②上げるとき ma = F – mg ≧0
すごく単純にいうと以下のような感じです。
- 下げるときはバーの重さよりも押す力のほうが小さく
- 上げるときはバーの重さよりも押す力のほうが大きい
- 途中で加速度が正になり、速度の符号が変わる
なんとなく分かったような分からないような
ベンチプレスのMAX重量を伸ばすための要素
2つの前提から考えるとうまくやるためのコツは2つです。
- 出力100%に近いポイントに下げる
(ゆっくりと正確に下げる) - できるだけ下げる過程で力をセーブする
これは普段ベンチプレスをやっている人からすると、なんとなく感覚的に分かると思います。しかし、ここには1つ難点があります。
ゆっくりと正確に下げる
全然、力がセーブできない!
ma=F-mg≒0
⇒ a≒0なので加速させずに下げる
(大きい力を出し続けている)
下げる過程で力をセーブ
ボトムがめちゃくちゃきつい!
ma=F-mg≒-mg
⇒a≒-gなので自由落下に近い
(力をほぼ使っていない)
ベンチプレスにある相反関係
これら2つのコツは相反関係にあります。
バーを速く下げると
- 前半の力をセーブできるが
- 切り返しでより強い力を出さないと上がらない
バーをゆっくり下げると
- 軌道を制御しやすく、切り返しも楽だが
- 力を出し続ける必要があるので、後半の力が持続しにくい
この相反関係を打ち破る裏ワザが “2段階フォーム” ですね。
2段階フォームすげー!!!
ベンチプレスの2段階フォームでなぜMAX重量が伸びる?
2段階フォームには2つのメリットがあります。
- 狙ったところに落としやすい
- 前半の力をセーブできる
狙ったところに落としやすい
動画のなかでKE-TA(@keita579219)さんはダーツと表現されていました。毎度のことながら、分かりやすい表現です。近いところからダーツを投げるほうが狙ったところに投げやすいですね。
我々のやっているダーツは高さもついています。だから狙ったポイントに落とすのはかなり難しいんです。2段階フォームはこの点をカバーできます。
やっぱり支えてる時間長いときつくない???
前半の力をセーブできる
KE-TAさんは以下のように言っていました。
力を使わないすべて整った状態で受けられる
これはやらないと分からないので、ぜひご自身で試してみてください。意識してほしいのは胸筋のテンションのかかり方と背筋の収縮を感じるタイミングです。
シャフトを下げていく途中で、以下のようなポイントがあります。かなり感覚的な話になりますが、私は以下のようにバネをイメージしながらやっていました。
- 胸と背中にはしっかりとテンションがかかっている
- ただし、肩や三頭筋の力はほぼ使っていない
(骨格で荷重を受けている) - 肘を角度はそこまで変わっていない
胸を伸ばして、背中を縮めて、体幹だけで下げられるギリギリのところ
そのポイントにおけるとあまり力をかけずとも自然にシャフトを保持することができました。これは多少は、ブリッジが組めている前提になります。うまくいかない人は滑り止めシートを使ってみるのもおすすめです。
【補足】
いいのか悪いのか分かりませんが、私の場合は2段階の途中で軌道も変わっています。意識はしていないのですが、これがやりやすいので自然にこうなっていました。
※しっかりと肩甲骨が落とせるようになってからこの傾向は薄れてきました
\ 高頻度でベンチプレスやるなら /
ベンチプレスの2段階フォームは物理的には?
下ろしの仕事の温存
1段階目で受けたところで自然にF’の力が出せるとします。すると、F’の分だけ小さいFでa : 加速度が 0にできます。これをイメージで書くと2段階フォームは以下のようになります。
ma = F + F’ – mg = 0
厳密には時間が伸びるので
2段階でやることによって、ボトムまでの仕事をセーブできるんです。これはF’が存在する、つまり、自然に力が受けられるポイントがある前提です。それがないと休めません。もう少しだけ厳密に書くと以下のような感じかもしれません。
ボトムに達するのに時間はかかりますが、山の面積の差分だけ仕事をセーブできているイメージです。本当に素晴らしいです。
まとめ
BURST LIMITさんの動画から着想を得て、2段階フォームについて考えてみたというお話でした。ポイントとしては以下の3点になります。
おさらい
- 自然に力を出せるポイントがある
- そこで一休みをすることができる
- その結果、下げる精度を高めつつ力のセーブができる
ベンチプレスが強くなりたい人は試してみてください!KE-TAさんの言う “力を使わないすべて整った状態で受けれる” ポジションが分かるのが第一歩です!
\ベンチプレスの道具をチェック!/