ベンチプレスの2段階フォームのメリットについてちょっとだけ物理的に考えてみた。

ベンチプレスの2段階フォームを物理的に考察

<はじめに>
本記事はBURST LIMIT(@BURST1681)さんの動画を参考に執筆させていただきました。いつも良い動画をありがとうございます。

ビックリする女の子
ベンチプレスを2段階でやってる男がいたんですよ~!
 
ビックリする男の子
な~に~?
やっちまったなぁ!

2段階フォームとは?

あなたはベンチプレスの
「2段階フォーム」を知っていますか?

知らない場合はまずは以下をご覧ください。

2段階フォームとは?
2段階で下げるフォームのことです。上げる動きも含めると3ステップのフォームになります。
 
2段階フォームのやり方
  • Step1
    中間地点まで1段階下げる
  • Step2
    ボトムまで2段階下げる
  • Step3
    ラックまで上げる

本記事では以下を目的とします。

  • 2段階フォームのメリットを少しだけ物理的に考察する

    ※高校1年レベルの物理です

流れは以下の通りです。

  1. ベンチプレスの動きの前提を確認
  2. うまく上げるための要素を考える
  3. 2段階フォームのすごさを理解
キリっとした表情の少年
下げる動作の重要性が分かる記事になってるよ!

ベンチプレスの前提

ベンチプレスの動きには以下の2つの前提があります。

  1. 肘の位置によって出力が違う
  2. 切り返しで必ず速度が0になる

順に説明します。

肘の位置によって出力が違う

これは別に肘に限った話ではないですが、1番分かりやすいので肘にしています。

ベンチプレスを下げる場所ごとの出力差

場所も数字も適当ですのでイメージだけ掴んでもらえればと思います。

女の子
MAXが100kgの人も60%のポイントに下ろすと60kgしか上げられないってこと!

この分布に関しては個人差があって、例えば腕が長いとか三頭筋が特別強いとかで前後左右します。

100%の位置に正確に下げる精度が必要!

切り返しで必ず速度が0になる

概念を図示してみました。符号は上が正で下が負としています。

ベンチプレス中の速度

仮にボトムで止めなしでやっていたとしても絶対に切り返しでは速度が0になるんです。

これを少しだけ物理的に考えます。

運動方程式より ma = F – mg
 m: シャフトとウエイトの質量
 a: 加速度
 F: シャフトを押す力
 g: 重力加速度
①下げるとき ma = F – mg ≦ 0
②上げるとき ma = F – mg ≧0

すごく単純にいうと

  • 下げるときはバーの重さよりも押す力のほうが小さく
  • 上げるときはバーの重さよりも押す力のほうが大きい

ということです。

前半は押す力は小さくてもいい?

疑問を持っている男の子
なんとなく分かったような分からないような

うまくやるための要素

2つの前提から考えるとうまくやるためのコツは2つです。

  1. 出力100%に近いポイントに下げる
  2. できるだけ下げる過程で力をセーブする

これは普段ベンチプレスをやっている人からすると、なんとなく感覚的に分かると思います。

しかし、ここには1つ難点があります

出力100%に丁寧に下げようとした場合

泣いている男の子
全然、力がセーブできない!
ma=F-mg≒0
⇒ a≒0なので加速させずに下げている
 (大きい力を出し続けている)
 
 
できるだけ力をセーブした場合
絶望する男の子
ボトムがめちゃくちゃきつい!
ma=F-mg≒-mg
⇒a≒-gなので自由落下に近い
 (力をほぼ使っていない)
 

2つのコツが相反関係にあるということです。

バーを速く下げると

  • 前半の力をセーブできるが
  • 切り返しでより強い力を出さないと上がらない

バーをゆっくり下げると

  • 軌道を制御しやすく、切り返しも楽だが
  • 力を出し続ける必要があるので、後半の力が持続しにくい
疑問を持っている女の子
じゃあなにが正解なの?

この相反関係を打ち破る裏ワザが
“2段階フォーム” ですね。

2段階フォームすげー!!!

ビックリする女の子
ビックリする男の子

2段階フォームのメリット

2段階フォームには2つのメリットがあります。

  1. 狙ったところに落としやすい
  2. 前半の力をセーブできる
女の子
相反関係だった1と2がどっちもメリットになってるよ

狙ったところに落としやすい

動画のなかでKE-TA(@keita579219)さんはダーツと表現されていました。毎度のことながら、分かりやすい表現です。

2段階フォームのすごさ1つ目
素晴らしさ①
1段階低いところから下げることで、狙ったところに下げやすい

我々のやっているダーツは高さもついています。だから狙ったポイントに落とすのはかなり難しいんです。2段階フォームはこの点をカバーできます。

疑問を持っている男の子
やっぱり支えてる時間長いときつくない???

前半の力をセーブできる

KE-TAさんは以下のように言っていました。

力を使わないすべて整った状態で受けられる

悩んでいる男の子
僕には分からないなー

これはやらないと分からないので、ぜひご自身で試してみてください。意識してほしいのは胸筋のテンションのかかり方と背筋の収縮を感じるタイミングです。

ベンチプレスをする男性

シャフトを下げていく途中で、

  • 胸筋にはほどよくテンションがかかったけど、背筋の収縮はそこまで感じないポイント

があるんですよ。

かなり感覚的な話になりますが、私は以下のようにバネをイメージしながらやっていました。

ベンチプレスにおけるばねのイメージ
胸筋:伸び始めている
背筋:まだ縮み始めていない

そのポイントにおけるとあまり力をかけずとも自然にシャフトを保持することができました。

素晴らしさ②
1段階低いところで楽に保持してからベンチプレスができる
疑問を持っている女の子
シャフトを保持できるとどうなるの?

物理的に言うと?

1段階目で受けたところで自然にF’の力が出せるとします。

ma = F + F’ – mg = 0

すると、上記のように小さいFでa : 加速度が 0にできます。

これをイメージで書くと2段階フォームは以下のようになります。

2段階フォームでのベンチプレスにおける速度
2段階でやることによって、ボトムまでの仕事をセーブできるんです。
これはF’が存在する、つまり、自然に力が受けられるポイントがある前提です。それがないと休めません。
ビックリする男の子
そういうことだったのかー!
 
もう少しだけ厳密に書くと以下のような感じかもしれません。
1段階と2段階フォームの速度差

縦軸:速度、横軸:時間

 

ボトムに達するのに時間はかかりますが、山の面積の差分だけ仕事をセーブできているイメージです。

本当に素晴らしいです。
キリっとした表情の少年
試行錯誤の末にたどり着いたフォーム!
 

まとめ

BURST LIMITさんの動画から着想を得て、2段階フォームについて考えてみたというお話でした。

ポイントとしては以下の3点になります。

  • 自然に力を出せるポイントがある
  • そこで一休みをすることができる
  • その結果、下げる精度を高めつつ力のセーブができる

ベンチプレスが強くなりたい人は試してみてください!

<注意点>
・厳密性は無視してください。
・筋肥大メインの人はやらないほうがいいです。

考えながらやってみたら2段階フォームが素晴らしかった!

KE-TAさんの言う “力を使わないすべて整った状態で受けれる”  ポジションが分かるのが第一歩なのでいろいろと考えながら試してみてください。

読んでくれてありがとう!
 
ちなみにKE-TAさんの知識と経験が詰まった本が発売されていますので、Youtube動画のスマイルに心を奪われてしまった方はぜひお買い求めください。

 

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