トレーニングベルトって何キロから?
ジムに通い始めた人に待ち受ける試練がいくつかあります。具体的には以下のようなものです。
- いつからフリーウエイトをやるのか
- いつから筋トレ用の道具を使うのか
- いつからタンクトップやノースリーブを着ていいのか
結論としては「やりたくなったらやって、使いたくなったら使えばいい」のですが、これはあくまでも乗り越えた人間だから出せる意見なので、これから乗り越える人向けに解説をしていきたいと思います。
- BIG3 Total 525kg
- SQ 180kg / DL 210kg
- ジムの借り物ベルトからスタート
- 現在はSBDのパワーベルトを愛用中
スクワット/デッドリフトでトレーニングベルトは何キロから?
ベルトは何キロから付ける?
スクワットとデッドリフトそれぞれで何キロくらいからトレーニングベルトを付けたほうがいいのかの目安をまとめてみました。体型によってもかなり影響を受けるので性別と体重で分けて記載しました。
体重↓ | スクワット | デッドリフト |
---|---|---|
55kg | 72 | 90 |
60kg | 79 | 96 |
65kg | 88 | 108 |
70kg | 98 | 115 |
75kg | 104 | 124 |
80kg | 113 | 134 |
85kg | 121 | 141 |
90kg | 131 | 148 |
95kg | 140 | 156 |
100kg | 148 | 164 |
上記の数値は BIG3の体重/経験別の平均値 よりトレーニング歴 1年の値を抜粋しています。未経験からのトレーニング歴1年なので その他のスポーツ経験が長い方などは初めてやっても挙がる人がいるような重量です。
【補足】
上記の重量に達していない人は「自分が思った通りに体を動かす」能力が足りていない可能性が高いのでベルトを使ってまで重い物を持つよりは無理のない範囲で姿勢を維持する練習などをメインにやったほうがよいかもしれません。
できれば指導者がいたほうが安全です!
1RMに対する%で考えるのも大切
ベルトを付ける目安を考えるときは単純な重量ではなく、自分のMAX重量に対する%を考えることも重要です。MAX重量が 120kgの人と200kgの人でそれぞれの重さが何%に相当するのかをまとめてみました。
MAX 120kg | MAX 200kg | |
---|---|---|
80kg | 67% | 40% |
100kg | 83% | 50% |
120kg | 100% | 60% |
165kg | ー | 83% |
200kg | ー | 100% |
個人的には 自分のMAX重量の85%を超えたくらいからは徐々にフォームが崩れるリスクが増してくるのでベルトを着用したほうがよいと思います。回数で言うと7回以下しかできないような重量です。
【補足】
初心者は10~15回くらい反復可能な重量からやるほうが安全です。この重量は自分のMAX重量の70~80%に相当します。80%以下の重量はベルトなしでしっかりと操れるようになりましょう。
ベルトの種類にも関係する
ベルトを何キロからつけるのかという問題に関しては付けるベルトの種類も関係してきます。ベルトにはざっくり分けると以下のような種類があります。
レベル1
ナイロン
レベル2
革(~6mm)
レベル3
革(10mm~)
※怪我のリスクはベルトによって骨盤や肋骨を痛めるリスクを意味します。
厚くて硬いベルトはうまく使えば強力な味方になってくれますが、うまく使えないと逆に体を痛める可能性もあります。ナイロンベルトであれば、おかしな使い方をして効果を発揮できないことはあってもそれが原因で怪我をすることはまずないのでとりあえずお試しで付けてみてもよいでしょう。
筋トレで腰にトレーニングベルトを付ける効果
腹圧をより高める効果がある
トレーニングベルトは 腹圧をより高める効果があります。イメージとしては膨らんだ風船を少し手で押さえつけると内部の圧力が高まるような感じです。実際、スクワットやデッドリフトの前には息を吸って止めますのでそれが風船を膨らませた状態に相当します。
【参考】
使い方や付ける位置については以下の記事で解説しています。
締めすぎると空気が入らない
以下の3パターンで実際にお腹の動きを確認していきましょう。
- ベルトなしの状態
- 適度にベルトを締めた状態
- 過度にベルトを締めた状態
\ 動画で動きをチェック /
ベルトを適度に締めた状態であればお腹を膨らませたうえで圧力を高めることができます。ただ、過度に締め付けた状態では胸が膨らんでおり、全くお腹の大きさは変化しません。これではベルトによるサポート効果を十分に得ることはできません。
コルセットとの違い
コルセットとトレーニングベルトでは使用される目的が大きく異なります。コルセットは可動域を制限してそもそも動かないようにするためのものであり、トレーニングベルトは動くことを前提として安定性を高めるものです。
- コルセット
胴体全体を覆って締め付けによる姿勢保持や可動域の制限を目的とする - トレーニングベルト
腹囲を覆って吸気したあとの腰椎の安定性向上を目的とする
筋トレでトレーニングベルトを付けて腹圧を高める練習方法
最後に腹圧を高める練習方法について紹介します。
腹式呼吸でお腹に空気を溜める
適切に腹圧を高めるには腹式呼吸でお腹に空気を溜める必要があります。やり方や理屈についてはタローさんの解説が非常に分かりやすいです。
【
タロー・トレーニング強化書】また、より実践的な練習としては渋谷優輝さんの解説がタメになります。普通の状態で腹式呼吸ができていたとしてもバーベルを担いだ状態、ベンチ台に寝転がった状態ではかなり感覚が違うので徐々にできるようにしていきましょう。
【
パワーリフターの渋谷優輝さんによる解説
お腹を固めるのか背中を固めるのか
腹圧を高めるとき、お腹に力を入れて固めるというやり方がよく言われています。ただし、人によっては背中側を意識するほうがうまくいく場合もあります。実際、私自身もそうですし、パワーチューブさんの動画のなかで山下幹太さんも背中の圧だけを意識していると言っていました。
【
パワーリフターの山下幹太さんによる解説
\ コスパ重視で入門におすすめのベルト /
ナイロンベルト
レザーベルト
まとめ
トレーニングベルトについて以下の3点を紹介しました。
- 何キロから付ける?
- 最低限のレベルまではベルトなしのフォーム練習も必要
- kgよりもMAXの何%かが重要
⇒フォームの崩れや怪我のリスクが高まるため - ナイロンベルトなら早めでも問題なし
- トレーニングベルトの効果は?
- 腹圧をより高める効果
- 締めすぎると効果を発揮しない
- コルセットとは目的が異なる
⇒コルセットは可動域制限
⇒ベルトは動作の安定性向上
- 腹圧を高める練習方法は?
- 腹式呼吸の練習が重要
- 寝た状態で始めて動作に繋げていく
- 背中を固める意識が合う人も
トレーニングベルトは正しく使えば、重量UPや怪我の防止に大いに役立ってくれます。「甘え」「早すぎる」ということはないので上手に活用していきましょう。