スクワットのフォームが全然定まらない
この前、パワーチューブが解説してたよ
パワーチューブさんの動画
【動画の内容】
ハイバーナロー, ハイバーワイド, ローバーナロー, ローバーワイドがそれぞれどんな人に向いているのかを解説
トップ選手のフォームが実際にどうなのか気になる
ということでこの記事ではトップパワーリフター 9人のフォームを分析して以下をまとめてみました!
- 上体の角度
- 足首の角度
- 足幅
パワーリフティングのスクワットの足幅とフォームを比較
縦軸に上体の角度、横軸に足幅をとると以下のような分布となりました。バーの担ぎの位置は映像から判別できないので上体の角度としています。
フォームを調べた9選手
フォームを分析したのは以下の9選手です。(2022年時点)
- ウッシーさん (パワーチューブ)
- NAOTOさん (パワーチューブ)
- 渋谷優輝さん (66kg級 日本記録)
- 比嘉善浩さん (74kg級 日本記録)
- 中川哲汰さん (83kg級 日本記録)
- 梶井貴博さん (93kg級 日本記録)
- 武田裕介さん (105kg級 日本記録)
- Atwood Taylor (74kg級 世界記録)
- Orhii Russel (83kg級 世界記録)
👆画像の引用元をリンクしています。
- 現在の66kg級の日本記録は井戸 豊さん
- 現在の83kg級の日本記録は渋谷優輝さん
- 現在の93kg級の日本記録は西村直樹さん
- 現在の105kg級の日本記録は松下大樹さん
- 現在の74kg級の世界記録はMonigatti Timothy
【参考】
トップ選手が出場する大会についてもまとめています。
角度や足幅の測り方
角度や足幅の測定には以下のような方法を用いました。
小さい | 大きい | |
---|---|---|
上体の角度 | 起きている | 寝ている |
足首の角度 | 曲がっている | 立っている |
上体や足首の角度
上体や足首の角度の測定には以下のような方法を用いました。
- 頭、腰、膝、くるぶしにフィットするような円を描く
- 円の中心を結ぶ線を引く
- 地面の垂線と上体の角度を測る
- 地面とすねの角度を測る
真横からの画像だとワイドスタンスで足を開いている人がすねが立っているように見えることがあります。
足幅の測り方
体格の差があるので、肩幅と足幅の比率としました。足の甲の外側で計測しているので足裏が外を向いているほど大きい値になります。
- 肩幅を測る
- 足の外側で足幅を測る
- 足幅÷肩幅で比率を計算する
注意点
- 必ずしも真横や真正面の画像から分析できているわけではありません
- 参考にした動画/画像のURLを載せておきますので、脳内で補正してください
\ ニースリーブの選び方は? /
上体が起きていて足幅が狭いスクワットのフォーム
- 梶井貴博さん (93kg級 日本記録)
梶井貴博さん (93kg級 日本記録)
今回の9人の中では少数派です。足首が寝ている分、上体は立てられるというフォームになっていそうです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 33° (起きている) |
---|---|
足首の角度 | 50° (寝ている) |
足幅の比率 | 1.15 (ナロー) |
足裏 | 開き |
挙上時の 二ーイン | 出ない |
<補足>
梶井さんはとちぎ国体の近畿ブロック大会にてスクワット 289kgを記録しました。一方でデッドリフトは262.5kgであり、スクワットがデッドリフトより強いタイプの選手です。
上体が起きていて足幅が広いスクワットのフォーム
- 渋谷優輝さん (66kg級 日本記録)
- 武田裕介さん (105kg級 日本記録)
渋谷優輝さん (66kg級 日本記録)
渋谷さんは足裏が平行になっていて、膝が前に出るという梶井さんのワイド版のようなフォームです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 34° (起きている) |
---|---|
足首の角度 | 55° (やや寝ている) |
足幅の比率 | 1.5 (ワイド) |
足裏 | 平行 |
挙上時の 二ーイン | 出る |
武田裕介さん (105kg級 日本記録)
武田さんは足を開いて外方向に開きを作っているので足首は比較的立っています。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 37° (起きている) |
---|---|
足首の角度 | 61° (立っている) |
足幅の比率 | 1.52 (ワイド) |
足裏 | 開き |
挙上時の 二ーイン | 出る |
<補足>
梶井さん同様に渋谷さんも武田さんもスクワットがデッドリフトよりも強い選手です。上体の角度が40°を境にデッドリフトとスクワットの大小関係が分かれるという結果になりました。
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上体が寝ていて足幅が狭いスクワットのフォーム
- ウッシーさん (パワーチューブ)
- 中川哲汰さん (83kg級 日本記録)
- Atwood Taylor (74kg級 世界記録)
ウッシーさん (パワーチューブ)
ウッシーさんは上体も足首も比較的曲がっていて、主に前後に折りたたまれるフォームです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 46° (寝ている) |
---|---|
足首の角度 | 55° (寝ている) |
足幅の比率 | 1.23 (ナロー) |
足裏 | 平行 |
挙上時の 二ーイン | 出る |
中川哲汰さん (83kg級 日本記録)
中川さんはウッシーさんに近いですが、挙上時に二ーイン傾向があまり出ません。物体に対して正面からアプローチするのが得意なのでしょうか。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 46° (寝ている ) |
---|---|
足首の角度 | 63° (起きている) |
足幅の比率 | 1.18 (ナロー) |
足裏 | 平行 |
挙上時の 二ーイン | 出ない |
<補足>
ウッシーさんと中川さんはデッドリフトがスクワットよりも50kgくらい強い部類の選手です。ハムケツや上体を起こす力がかなり強いと言えそうです。
テイラーアトウッド (74kg級 世界記録)
ウッシーさんに近いフォームです。ただし挙上時の二ーイン傾向はあまりないです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 44° (寝ている ) |
---|---|
足首の角度 | 56° (やや寝ている) |
足幅の比率 | 1.1 (ナロー) |
足裏 | 平行 |
挙上時の 二ーイン | 出ない |
<補足>
アトウッド選手も838.5kgを記録したときはスクワット303kgでデッドリフト 340.5kgだったのでデッドリフトが強い部類の選手ですね。強すぎてよく分からない領域ですが・・・
スクワットの偏差値計算ツールを作りました!
上体が寝ていて足幅が広いスクワットのフォーム
- NAOTOさん (パワーチューブ)
- 比嘉善浩さん (74kg級 日本記録)
- Orhii Russel (83kg級 世界記録)
NAOTOさん (パワーチューブ)
NAOTOさんは上体は寝ているけど、脚は開いていて足首は立っているタイプです。ただし、股関節への負荷が大きいので徐々にナローになってきているらしいです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 42° (寝ている ) |
---|---|
足首の角度 | 68° (起きている) |
足幅の比率 | 1.67 (ワイド) |
足裏 | 開き |
挙上時の 二ーイン | 出る |
比嘉善浩さん (74kg級 日本記録)
レジェンド比嘉さんはワイドスタンスでNAOTOさんよりもさらに膝の開き傾向が強いです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 47° (寝ている ) |
---|---|
足首の角度 | 68° (起きている) |
足幅の比率 | 1.63 (ワイド) |
足裏 | 開き |
挙上時の 二ーイン | 出る |
<補足>
NAOTOさんと比嘉さんはデッドリフト≒スクワット+20kgくらいで、あまり差がないタイプです。フォームの関係上、筋肉の使い方にあまり差がないのかもしれません。
ラッセルオルヒ (83kg級 世界記録)
ラッセル オルヒ選手は膝だけ見るとややワイドくらいですが、足裏の開きがかなり強いです。フォームとしては武田さんに近いです。
正面の参考画像
横の参考画像
上体の角度 | 44° (寝ている ) |
---|---|
足首の角度 | 55° (やや寝ている) |
足幅の比率 | 1.63 (ワイド) |
足裏 | 開き強め |
挙上時の 二ーイン | 出る |
<補足>
オルヒ選手はTotal 843kgを記録した大会で、スクワット 323kg、デッドリフト 327.5kgとほぼ同重量です。
\ トレーニングベルトの選び方は? /
まとめ
トップパワーリフターのスクワットのフォームを分析して傾向を調べました。
上体が起きている
- スクワット>デッドリフトの選手が多い
- ハムケツに比べて大腿四頭筋が強い?
ワイドスタンスで上体が寝ている
- デッドリフトがスクワットより少しだけ強い選手が多い
- バランス型
ナロースタンスで上体が寝ている
- デッドリフトがスクワットよりかなり強い選手が多い
- ハムケツが強い?
スクワットのフォームに悩んでいる方は参考にしてみてください!好きな選手の真似をするよりは身体的特徴が似ている選手に寄せるほうがよいかもしれません。
足首が寝たフォームになっている方はスクワットシューズを履いてみるのもおすすめです!