パワーリフティングの強さを比較するスコアについて

パワーリフターの強さを表すスコアについて

本記事ではパワーリフティングの強さを比較するスコアについて紹介します。

気付いた男の子
知ってる!ウィルクススコアでしょ!
女の子
その知識、だいぶ古いよ!

え?まじで?   

ビックリする男の子

本記事を読んで一緒にスコアの歴史を学んでいきましょう!


本記事で分かること

世の中にあるスコア一覧

2018年以降のスコアの変遷

一般人が使うには?


スコアの歴史を知るとBIG3がもっと楽しくなるかもしれません!

世の中のスコア一覧

パワーリフターの強さを比較するスコアには以下のようなものがあります。

  • Wilks points
  • 相対筋力スコア
  • IPF points
  • Wilks 2.0
  • DOTS Method
  • IPF Good Lift points

歴史で言うと以下のようなイメージです。

パワーリフティングのスコアの歴史
ビックリする男の子
ここ最近でめちゃくちゃ増えてる!
気が付いた女の子
相対筋力スコアについては別記事で紹介してるよ!
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Athletebody (@AthleteBodyjp)さんによって相対筋力スコアの記事が書かれたのが2017年のことです。

その翌年の2018年にIPFスコアが登場してからここ4年くらいの間にいろいろと新しいスコアが生まれました。

本記事ではこれらを時系列に沿って紹介していこうと思います。

本記事の構成
  • ~2018年
    ウィルクススコアの終わり
    長かったウィルクススコア時代
  • 2018~2019年
    IPFスコアの誕生
    突如、現れたIPFスコア
  • 2020年〜
    IPFスコアの改良
    すぐに変わってIPF GLが登場

※年はざっくりです。

ウィルクススコアの課題

パワーリフティングの世界では長きにわたってウィルクススコアが使われてきました。

ウィルクススコアとは?
オーストラリアのRobert Wilks氏によって作られたスコアのことです。
ウィルクス係数 × 合計挙上量で求められます。

このスコアが作られた背景には、

  • 異なる階級のリフターたちを比較して、どちらが優れたリフターなのかを決めたい

という考えがあります。

リフティングはボクシングのようなものですから、ライト級(59kg)とヘビー級(90kg)の選手を直接、殴り合いさせるにはいかないわけです。

悩んでいる男の子
なにか別の指標が必要になってくるよね

そこで使われていたのが、このウィルクススコアです。

ただ、この方法にもいくつか問題点があったため、2018年には新しい物に置き換わりました。

問題点は主に4つです。

  1. データが古い
  2. 女性のデータが少ない
  3. 競技別にスコアが分かれていない
  4. 中量級に不利である

データが古い

1988年~1994年のデータを用いています。

女性のデータが少ない

1988年~1994年のデータでは女性の競技者が少なかったため、正確性に欠けます。

競技別にスコアが分かれていない

以下の2つについて言えます。

  • フルギア/ノーギアが分かれていない
  • シングルベンチプレス向けにスコアが分かれていない
疑問を持っている男の子
もう少し詳しく言うと?

フルギア/ノーギア

フルギア/ノーギアの係数は分かれていないのでフルギアでは単純に高いスコアが出ます。

また、ノーギアでフルギアと同じ重量をあげても同じスコアが出てしまいます。

例)体重 70kgの男性が
ノーギアで500kgあげた ⇒ 374.6
ノーギアで600kgあげた ⇒ 449.6
フルギアで600kgあげた ⇒ 449.6

シングルベンチプレス

シングルベンチプレス向けにも係数は分かれていません

例)
・体重 70kgのパワーリフターが
 ベンチプレス150kg ⇒ 112.4
・体重 70kgのベンチプレッサーが
 ベンチプレス150kg ⇒ 112.4
 
ベンチプレッサーだとなにが違う?
同じ体重でも上半身に筋肉を割り振ることができるため、よりハイレベルな戦いとなります。
気が付いた女の子
複数種目のなかで優れたリフターが決められないんだね!

中量級に不利である

ウィルクススコアのイメージ図を書くと以下のようになります。

ウィルクススコアの分布イメージ

線図がU字になっているということは真ん中の中量級の方々はスコアが低めに出てしまうということを意味しています。

IPFスコアの登場

ウィルクススコアの課題を整理すると

  1. 最新データをもとに近似曲線を作り直したい
  2. 女性のデータを増やしたい
  3. 種目別に係数を分けたい
  4. 中量級への不利さを改善したい

ということになります。

IPFスコアは上記の課題に加えて

  • トップリフターだけではなく、すべてのレベルのリフターも使える指標にしたい

という想いのもと作成されました。

実際の数式は以下のようになります。

IPFスコアの数式

C1, C2, C3, C4は定数ですが

  1. フルギア 3種目 (男性)
  2. フルギア 3種目 (女性)
  3. ノーギア 3種目 (男性)
  4. ノーギア 3種目 (女性)
  5. フルギア ベンチプレス (男性)
  6. フルギア ベンチプレス (女性)
  7. ノーギア ベンチプレス (男性)
  8. ノーギア ベンチプレス (女性)

のそれぞれについて異なるものが設定されています。

女の子
lnは自然対数だよ!

このIPFスコアは2019年からウィルクススコアに置き換わる形で使われ始めました。

補足

IPFスコアにはベンチプレス向けの定数以外にもスクワット向け、デッドリフト向けの定数もあります。フルギアベンチの200kgとノーギアデッドリフトの200kgを比べられるということです。

IPFスコアの改良 (IPF GL)

疑問を持っている男の子
もう変わっちゃったの?

実は、IPFスコアは1年くらいで改良されています。精度が悪かったためです。

また、精度の悪いIPFスコアに反発するような形で

  • Wilks 2.0
  • DOTS Method

などが立て続けに発案されました。

Wilks 2.0

もともとのウィルクススコアをより平等になるように改良したもの

DOTS Method

ドイツのTim Konertz氏によって提唱された全く新しいもの。Dynamic Objective Team rating Systemの頭文字を取っている。

女の子
オリンピックでいうとIOCにJOCが反発してる感じ!
疑問を持っている男の子
最終的にはどうなったの?

2020年以降は、

  • 最も正確なのがIPF GL Pointsである

という前提のもとでIPFは、GL Pointsを推奨していますが、実態としてはDOTSを使い続けている団体もあります。

IPF GLの式は以下のようになっています。

IPF GLポイントの計算式

こちらもIPFスコア同様に定数であるA, B, Cは種目に応じて8通り存在します。

IPFの主張の根拠を詳しく知りたい方は以下のページをご参照ください。

どんな考え方で決めているの?
前提にトップ選手が等しく努力して限界に到達しているという考え方があります。そのうえで、できるだけバラつきが小さくになるように数式が作られます。実際には、個体差や技術の差がありますので、積極的に比べるのを好まない人もいます。

一般人が使うには?

疑問を持っている男の子
僕も使ってみたいけど、どうすればいいの?

割合で言うと国際大会に出たことがない方が圧倒的に多いので、この点についても触れておきます。

使えるけど、あくまでも目安なので扱いには注意してください。

トップリフターにとっても目安ですので、一般人にとってはなおさら目安でしかないです。その前提のもとで読んでください。

検証の手順

STEP 1 基準値を決める

STEP 2 各スコアを計算してみる

STEP 3 トップリフターとの差を考える

女の子
いざ、検証です

STEP 1 基準値を決める

今回の基準値はAthleteBodyさんが提唱する相対筋力スコアをもとに決めてみました。

相対筋力スコアについては

  • 40 (トレーニング歴 半年くらい)
  • 55 (トレーニング歴 1年くらい)
  • 70 (トレーニング歴 2年くらい )

のようなイメージです。

これを

  • 体重 60 kg
  • 体重 70 kg
  • 体重 80 kg
  • 体重 90 kg

について算出します。

BIG3のTotalは以下のようになりました。

 スコア 40スコア 55スコア 70
体重 60kg217298379
体重 70kg241331422
体重 80kg264363462
体重 90kg286393500

STEP 2 各スコアを計算してみる

これを各スコアについて考えてみるとざっくり以下のようになります。

スコアの活用イメージ

注意してほしいのが、

  • Wilksの値は÷5している
  • Wilks 2.0の値は÷6している
  • IPFの値は÷8している

ことです。

スコアごとにスケールが違うので割る数値を変えてざっくりスケールを合わせました。

STEP 3 トップリフターとの差を考える

少し小細工をしましたが全スコアについて以下のことが言えます。

  1. 世界記録はだいたい110くらい
  2. 日本記録はだいたい100くらい

つまりなにが言いたいかというと

  • 日本のトップが100なので100目指してがんばろう

ということです。

割らなくても縮尺が合っているのであまり深く考えずにIPF GLスコアを使うのでよいかと思います。初期値が低めに出るので伸びも実感しやすいです。

計算ツールも用意しました。

注意

・一方的に他人と比べるのはやめてください。
・目安なのでいくつになったらどうとかはないです。

まとめ

パワーリフティングの強さを表すスコアについて紹介しました。

本記事のおさらい

世の中にあるスコア一覧

 ・Wilks points
 ・相対筋力スコア
 ・IPF points
 ・Wilks 2.0
 ・DOTS Method
 ・IPF Good Lift points

2018年以降のスコアの変遷

 1. ウィルクススコア
 2. IPFスコアが登場
 3. すぐにIPF GLスコアに置き換わる

一般人が使うには?

日本一を100くらいとして、個人でスコアの上昇を楽しむ

最近は、GOAL-Bさんやパワーチューブさん主催のBIG3大会が開かれるなど、パワーリフティングがひそかな盛り上がりを見せています。

スコアも意識しながら目標設定してみてはいかがでしょうか。

読んでくれてありがとう!

参考

・DOTSについて
 https://kraftsport-colonia.de/dots

・IPF スコアについて
 https://www.britishpowerlifting.org