RMだけ考えると複数セットが辛い
トレーニング歴がある方は体感されていると思いますが、RM計算上はできる重量でも複数セットやり切るのは大変です。そこでRMだけでなくRPEも考慮してセットを組んでみましょう!
【前提知識】
RMに関する知識がある前提で書いていますので怪しい人はまず以下の記事を読んでみてください。
筋トレのRPEとは?
ここでは以下の3点を紹介します。
- RPEは自覚的運動強度のこと
- 筋トレにおけるRPEとは?
- RPEとRMの関係は?
RPEは自覚的運動強度のこと
RPEはRating of perceived exertionの略で日本語では自覚的運動強度と言います。筋トレにおいては特定のセットの強度や負荷が限界に対してどのくらいの割合だったかを示します。RPEには最大が20と10の2種類がありますが、筋トレでは主に後者が使われます。
- 最大が20のもの
- 最大が10のもの
きつい / 楽 といった主観が指標になっているのがポイントです。最大が20のものは10倍すると心拍数に、最大が10のものは10倍すると最大能力に占める割合になるように設定されています。
筋トレにおけるRPEとは?
筋トレにおけるRPEは10段階で以下のように対応していると言われます。複数レップでセットを組むときに何回分の余力を残しているかという考え方です。
「あと〇repできる」を意味する RIR (Rep In Reserve)で表されることもあります。この表の場合、RPE8がRIR2に相当します。
【参考】
RPEについては以下の動画も参考になります。
筋トレのRMから10段階のRPEを計算する方法
RMとRPEの換算表
RPEとRMの間には以下のような関係があります。これが分かっていると複数レップの場合でもRPEが想定できます。
RPE | 1RMの何%か |
---|---|
10 | 100% |
9 | 95% |
8 | 92% |
7 | 89% |
6 | 86% |
RMとRPEの換算の一例
1RMが150kgの人を例にしてRMとRPEの換算を考えてみましょう。まず最初に2RMと3RMを考えると以下のようになります。
1RM | 150kg |
2RM | 142kg |
3RM | 139kg |
RMとRPEの換算表と組み合わせると以下のようになります。ただしこれを1RMを更新するたびに考えると言うのはけっこう大変ですね。
RPE | 1rep | 2rep | 3rep |
---|---|---|---|
10 | 150kg | 142kg | 139kg |
9 | 143kg | 135kg | 132kg |
8 | 135kg | 131kg | 128kg |
7 | 133kg | 126kg | 124kg |
6 | 129kg | 122kg | 120kg |
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筋トレのRMから10段階のRPEを計算するツール
実際に自分の1RMを使ってメニューを作成してみましょう。RMとRPEの換算が簡単に計算ができるツールを作成したので、さくっと調べてみてください。
RPEを使った重量の計算
以下は実際の計算ツールの画面です。
入力項目
入力項目は以下の4つです。回数が多すぎると精度が落ちるので12回までとしています。
- 1RM (kg)
- 何repでセットを組みたいか
- RPEはいくつでセットを組むか
- セットの組み方はどうするか
出力項目
出力項目はセットの重さです。5×5プログラムやアセンディングセットを選んだ場合は5セット分の重さが出力されます。
- 何kgでセットを組めばよいか
- 5×5プログラムやアセンディングセットについては後ほど、詳しく説明します。
複数セットの重量設定の注意点
ツールを使う場合には以下に注意してください。
- 出力される値は2.5kg単位で切り捨てている※
- 1RMは毎日同じとは限らない
- 重さが同じ値になることもある
※1セットのみは1kg単位で切り捨て
出力される値は2.5kg単位で切り捨て
ジムにあるウエイトで再現できるように値は2.5kg単位で切り捨てて処理をしています。場合によっては少し軽めになってしまうので留意してお使いください。
1RMは毎日同じとは限らない
1RMの数値は自分のベストの記録を入力すると思いますが、毎日同じとは限りません。その日の疲労具合や体調によって変わってきます。そこも含めて調整できるのがRPEによいところでもあるので、やりながら調節するのも大切です。
重さが同じ値になることもある
切り捨てて処理をしている関係上、RPEを変えても出力される重さが同じ値になることがあります。特に1RMが小さく、回数が多い場合に起こりやすいです。
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筋トレのRMとRPEの使用例
RPEを併用した重量設定は以下のようなシーンで使えます。
- 5×5プログラム
- アセンディングセット
- オフトレーニング
5×5プログラムの重量設定
5×5プログラムは5repを5setを同じ重量で組むストレートセットです。
【前提知識】
RPEを考慮しないで組んだ場合
例えば1RMが100kgの場合、5RMは85kgくらいになります。5RMくらいでストレートセットを組んだことを考えてみましょう。
この場合、人にもよりますが、5×5ではなく、5,5,4,3,3のようにレップ数が下がっていってしまいます。
RPEを考慮して組む場合
RPEを考慮して5×5を組む場合は最初のセットのRPEを7~8くらいに設定しましょう。
こうすることで徐々に体感としてはきつくなってきますがやりきることができます。
アセンディングセットの重量設定
アセンディングセットは徐々に重量を重くしながらセットを組むことです。ここでは同レップで組むアセンディングセットを想定しています。
重量設定で気を付けること
アセンディングセットを組む場合は以下の2点を考慮しながら1セット目のRPEを設定するとよいでしょう。セット数が多いほど、レップ数が多いほど1セット目のRPEは低めに設定しましょう。
- 全体のセット数
- 1セットのレップ数
低レップ | 高レップ | |
---|---|---|
3セット | RPE: 8~9 | RPE: 7~8 |
5セット | RPE: 7~8 | RPE: 6~7 |
重量設定の例
1RMが100kgの人のアセンディングセットの例です。67.5kg×8などはかなり物足りないのですが、そこでまずはその日の調子を確認しましょう。
3レップ×3セットの例
- 87.5kg×3
- 90.0kg×3
- 92.5kg×3
8レップ×5セットの例
- 67.5kg×8
- 70.0kg×8
- 72.5kg×8
- 75.0kg×8
- 77.5kg×8
オフトレーニングの重量設定
パワーリフティングを目的としてトレーニングをしている人などは1週間に同じ種目を4~5回やることがあります。そういった場合は、オフ気味にトレーニングをする日を設けるのですが、RPEは6以下くらいを目安に設定しましょう。
【参考】
毎日のようにベンチプレスをすることをエブリベンチといいます。体への負担が大きすぎるのでエブリスクワット、エブリデッドリフトなどをやっている人は稀です。
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まとめ
RMとRPEを併用して複数セットの重量設定をする方法を紹介しました。
- RPEは自覚的運動強度のこと
- 主観で強度が決まる
- RMやレップ数との関係性がある程度決まっている
- 5×5プログラムはRPE: 8くらいから
- アセンディングセットの場合は高レップ高セットほどRPE低めからスタート
- オフトレーニングではRPE: 6以下に抑えよう
1日の全体ボリュームを考えながら上手にRPEを使って重量設定してみてください!